2019.09.06
マンション修繕積立金の消費税法上の取扱い
相談[相談]
先日、投資用マンション(住宅用)の維持管理費として毎月支払う「修繕積立金」について、所得税法上の取扱いをお尋ねしましたが、消費税法上の取扱いについても教えてください。
なお、この修繕積立金はその住宅用マンションの共用部分の修繕を主な目的として、徴収されるものです。
[回答]
ご相談の修繕積立金(住宅用マンションについて支払った修繕積立金)についての消費税法上の取扱いは、非課税取引(非課税仕入れ)であると考えられます。
[解説]
1. 消費税法上の非課税取引とは
消費税法では、国内において行われる資産の譲渡等(資産の売買や貸付け、サービスの提供など)のうち、下記のようなものについては、原則的に消費税を課税しないこと(非課税)とされています。
(原則として消費税が非課税であると定められている国内取引の例)
- 土地の譲渡及び貸付け
- 有価証券等の譲渡
- 預貯金の利子
- 社会保険医療の給付等
- 介護保険サービスの提供
- 社会福祉事業等によるサービスの提供
- 学校教育
- 住宅の貸付け(1ヶ月未満の貸付けなどは除きます)
2. 修繕積立金の消費法上の取扱い
上記1.のとおり、住宅の貸付けについては原則として消費税が非課税とされていますので、投資用マンションを購入し、それを住宅用として賃貸した場合に受取る賃料の消費税法上の原則的な取り扱いも、非課税取引(貸主側は非課税売上げ、借主側は非課税仕入れ)となります。
また、住宅用マンションの共益費についても、住宅を共同で利用する上で居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を、居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税取引とされています。
マンション修繕積立金は賃料や共益費とは別に徴収されることが多いと思われますが、その消費税法上の取扱いについては、修繕積立金の請求名目が、共用部分の修繕や各戸の配管、配線、バルコニー等専用部分の修繕等に充てるためのものである場合には、上記の共益費と同様に、消費税法上の取扱いは非課税取引とされています。
したがって、今回のご相談の修繕積立金についても、住宅用マンションの共用部分の修繕を主な目的として徴収されることから、消費税法上の取扱いは非課税取引(貸主側は非課税売上げ、借主側は非課税仕入れ)となります。
[参考]
消法6、消法別表第一、国税庁質疑応答事例「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」など
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